サブプライム問題等、MP協会井村名誉理事長に聞く

「米国の協会と相互協力して日本でプランナーを育成したい」と活動をスタート

 日本でもサブプライム問題が話題になっている昨今。日本モーゲージプランナーズ協会が発足し、活動を始めている。この“モーゲージプランナー”とは聞きなれない言葉であるが、アメリカでは、一般的な名称で、日本は米国のモーゲージブローカー協会と相互協力する形で活動を始めたものだ。同協会の名誉理事長の井村進哉(中央大学経済学部教授)に、日本での活動、今後の抱負などを聞いた。 (写真は向かって左が井村進哉名誉理事長、右がモーゲージブローカー協会と日本代表の調印の様子)

 Q そもそもどういった活動をするのでしょうか ?

井村 住宅ローンのアドバイスとあっせん資格取得のための「モーゲージプランナー」の育成、支援を行うことが主たる活動です。日本では、2007年3月に、住宅金融公庫が廃止されて、独立行政法人住宅金融支援機構が導入され、住宅を購入する個人は、自らの選択で、人生で一番高価である買い物をしなければならなくなったのです。

 現状をみると、住宅を購入するとき、金融機関で多額のローンを組んで一生かけて支払いをする人たちが、本当に自分のライフスタイルにあった金融機関を選択しているか、適切な条件が提示されているか、はなはだ疑問です。多くは、民間の住宅販売会社が用意したものを吟味もせずに利用してしまっていることが、大変に多いようです。
 そして、住宅販売会社は、そういったことを事務としてやっても正規に手数料としていただくのではなく、代行手数料をなんらかの金額に申し訳なさそうに加算して手数料をとる、というのが現状ですね。
 そうではなくて、明確な責任を持つ仕事を示しつつ“ビジネスモデル”をつくることをしたいのです。

Q あっせん業務を行う、ということでしょうか ?

井村 そうです。それも、きちんと金融機関とローン契約を結ぶまで、支援するのです。
住宅を購入する際には、金融機関、法律面、登記などの面、と幾重にも書類が必要な場面が多いし、専門的な判断も必要です。販売業者任せで、いいことではないのです。
 アメリカでは、資産としての住宅を守るために各プロフェッショナルが顧客を守るのです。CMP(Certified Mortgage Planner)とMP(Mortgage Planner)は、住宅につき総合的なコンサル能力を持ち、ローンの仮審査から、金銭消費貸借の締結に至るまでのあっせん業務を責任をもって遂行するものです。
  それも特定の金融機関や特定の商品に限ったことではなく、あくまで利用者の立場にたった提案をするのです。中立・公正な立場であることが重要です。
日本モーゲージプランナーズ協会では、住宅市場で求められる司法書士、不動産鑑定士、税理士などの団体と交流パートナーシップを深めており、スムーズな支援が出来るような体制を準備しています。

Q 井村先生はどのようなことで名誉理事長になられましたか?

井村 現在NPO法人日本モーゲージプランナーズ協会(申請中)の名誉理事長を務めています。旧協会は任意団体で、2006年7月、約30名で発足し、最初私が理事長を努めました。近年の住宅ローンの商品の多様化、複雑化、それに伴うリスクの増大に対する形として、2004年に国土交通省で、消費者に住宅ローンの情報を提供するために住宅ローンに関する調査研究会が発足しましたが、その座長となっています。そこで提唱された住宅ローンアドバイザーを一歩進化させたのがモーゲージプランナーです。住宅を取り巻く環境が激変する中、消費者金融機関の両方に公平な立場をとってアドバイスできる新しい資格として認知していただきたいと思っています。


Q 今後協会では、どんな活動を予定していますか?

井村 まず、1)資格認定のための試験を実施し、合格者には認定証を発行します。
2)CMPとMPがその資格を有効に活用できるように体制をつくります。
3)全米モーゲージブローカー協会と提携ができ、これを発展させます。
4)広報活動として①ポータルサイトの構築②講演会・イベントの開催
5)研修事業の開催
このような事業を展開していく予定です。


Q アメリカのサブプライム問題では、モーゲージブローカーの働きはどうだったでしょうか?

井村 実際、この団体があったために被害はこの程度で済んだということがいえるでしょう。日本には残念ながら、金融リテラシー教育がないのです。国際的な広がりを見せる金融市場にあって、金融知識の能力を養成、教育をしていません。私たちの金融リテラシーは年々低下しているくらいです。
 日本で始まった、日本モーゲージプランナーズ協会(東京都文京区)は米国モーゲージブローカー協会と相互協力を締結することとなり、アメリカ、ラスベガスで調印しました。今後は世界基準の資格を目指し、教育内容の総合研鑽、倫理規定やコンプライアンスについて日米韓を舞台としたビジネス環境の醸成を目指していきます。

井村進哉 プロフィール=============================
中央大学経済学部教授、商学修士(中央大学)、経済学博士(東京大学)
担当科目:金融論、証券市場論、公的金融システム論
専攻:財政金融論、比較金融システム論
主著:『現代アメリカの住宅金融システム』東京大学出版会、2002年
訳書:ゲイリー・ディムスキ『銀行合併の波:バンク・マージャー・ウェーブ』日本経済評論社、2004年(松本朗と監訳)
NPO法人日本モーゲージプランナーズ協会(申請中)

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このページは、Study.jp 学びタイムズ < eラーニング Labo >が2008年2月22日 00:01に書いたブログ記事です。

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