英語習得の実践的授業を紹介

「第4回協働の場プロジェクト・フォーラム」

関西大学英語教育連環センター

 関西大学英語教育連環センター(e-LINC)では、6月17日、「第4回協働の場プロジェクト・フォーラム」を開催した。英語習得のための実践的授業のあり方を紹介するもので、国内外の英語教育の専門家による講演や各地の実践事例の報告などが行なわれた。

 同センターは、関西大学大学院外国語教育学研究科のプログラムが教員養成GP(文部科学省)に採択されたことに伴い、2005年11月に設立されたもの。教員養成と現場の課題解決のため、研究と学校の連環を3つの「協働の場」としてデザインした英語教育の実践を目指している。
 4回目を迎える今回の同フォーラムは、講演者としてジーン・カーシェンマン・ハワイパシフィック大学助教授と立命館大学・大学教育開発・支援センター教授の山岡憲史氏を招待した。

 はじめにカーシェンマン氏から「3Rアプローチによる挑戦」と題し、外国語学習における3Rの重要性について説明するワークショップが行なわれた。3R とは、Reflect(振り返り) Reach all students(全ての生徒に届く教え方) Rely on others(仲間との協力)の三つ。同氏は外国語としての英語学習について研究・実践をしており、ルーマニアや中国などで教えてきた経験をもとに、早期英語教育のあり方を実習なども交えながら話した。
 具体的には、「語学学習において今日学習したことをReflect(振り返り)することは、大変効果的で重要なものである」「生徒各々個人差はあるが、Reach all students(全ての生徒に届く教え方) で教える必要がある」といったことがまず話された。更に「社会構成主義」の側面からの考えとして、「学習は一人一人で成り立つものではない。個々の差を利用して生徒同士でお互い助け合うことも必要」と説明。Rely on others(仲間との協力)で生徒同士が教えあうことも有意義な学習とした。

 山岡氏の講演「骨太のコミュニケーション能力を育てるために大切なこと:受験とコミュニケーションのdichotomyを打ち破る」では、2002年に文部科学省から出された「英語が話せる日本人のための行動計画」でスーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール(SELHi)に指定された滋賀県立米原高等学校の事例について説明。英語教育において、受験対策とコミュニケーション能力育成の両立は当面の課題であるが、それを打ち破る方法を同校で実践し、3年間で生徒達が英語でプレゼンテーション・ディスカッション・ディベートができるようになった経緯について語った。同校はもともと進学校でもない上、特に英語教育に卓越しているわけでもない普通の地方高校であった。生徒達に「挑戦心」を植えつけさせ、多方面からの試みを行ない、SELHiとしてめざましい成長を遂げている。今後はSELHiで培った方法を更に発展させて、他校や他の県へも広めていきたいとのことだ。

 また講演の合間に、同センターが行なう「協働の場」のプロジェクトの進捗報告が行なわれ、枚方市立津田中学校・京都市立京都御池中学校・箕面市立第二中学校の事例について紹介された。同プロジェクトは、英語教育専門の同校大学院生らを現場の中学校に派遣、現場の教員と一緒に英語授業のあり方について研鑚を積ませるもの。『連環型』教員養成プログラムとして、「協働の場」で研修を行なうことにより、院生側は現場の雰囲気に馴染むことが、教師側は最新の英語教育に関する知識を院生から吸収することができる。三校での同プログラムを通した英語授業の取組みについての発表が行なわれた後、これからの教育現場と大学院の「協働」のあり方についても積極的な意見交換が行なわれた。

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このページは、Study.jp 学びタイムズ < eラーニング Labo >が2006年6月28日 22:27に書いたブログ記事です。

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