2006年6月アーカイブ

最優秀賞は沖縄県立那覇工業高等学校!  

高知県

 数多くの著名な漫画家を生み出している高知県が、「漫画王国・土佐」を全国にPRするため、毎年開催している「まんが甲子園」。 15回目となる今年は、沖縄県立那覇工業高等学校が最優秀賞を受賞し、全国高校ペン児の頂点に立った。
 本選大会は、8月5日〜6日の二日間、高知市文化プラザ「かるぽーと」で行われ、全国330校の中から予選を勝ち抜いた32校が出場した。
 今年は15回目という節目を迎えるため、それを記念して、本選出場校が従来の30校から2校増やされて32校になったほか、本選テーマを全国の高校生から募集したり、過去の「まんが甲子園」の出場選手で現在漫画家になっている「ひのもとめぐ」さんが審査員に加わるなど、節目にふさわしい趣向を凝らした大会であった。
 本選大会では、出場校が1チーム5名で参加し、第1次競技、敗者復活戦、決勝戦ごとに与えられたテーマに沿った作品を制限時間内に仕上げ、その作品がプロの漫画家などにより審査される。
 初日の第1次競技のテーマは「学校の○○」。第1次競技では15校が決勝戦進出校に選ばれるが、残る17校は敗者復活戦に挑む。初日の夕方に敗者復活戦のテーマ「一国一城の主」が与えられ、17校は宿に帰って作品を仕上げ、翌朝に作品を提出し、その中から5校が決勝戦進出校に選ばれる。
 二日目の決勝戦は、初日の第1次競技通過校15校と敗者復活戦通過校5校を合わせた20校で行われ、高校ペン児達は「秋葉原」という「まんが甲子園」始まって以来の難しいテーマに挑戦した。
 大会当日の様子は、リアルタイムでインターネットやブログで配信され、全国の高校生の注目を浴びていたが、決勝戦の結果、最優秀賞が沖縄県立那覇工業高等学校、2位が沖縄県立開邦高等学校、3位が栃木県立栃木高等学校となり、面白いことに「秋葉原」から一番遠く離れている沖縄県代表の二校が上位を独占した。
 審査委員長のやなせたかし先生は「最優秀賞作品は人類が進化していって秋葉原のオタクになるという大変な風刺。過去はセピア色で、現在は色を付けて表現したのも上手で、知的な感じがあってアイディアの勝利。」と評している。

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最優秀賞:(左)那覇工業高校の作品  (右)最優秀受賞の様子

教員志望の学生や社会人が対象

横浜市教育委員会

 神奈川県の横浜市教育委員会は、9月15日、教員養成塾「よこはま教師塾」の募集を開始した。募集期間は10月13日(金)まで。即戦力教員の確保と養成のため、横浜市の教員を志望する学生や社会人を対象にしたもの。

 横浜の教育のリーダーとなる人材の育成につとめる同塾の塾長は、「ヤンキー先生」の通称で知られる義家弘介氏。同氏は、「不良少年の夢」「ヤンキー先生のたからもの」などの著書がある元北海道北星学園余市高校教諭。自身が不良少年だった体験を経て教師となり、現在は横浜市の教育委員を勤める。同塾は、来年1月に開設され、月に2回の活動をする予定だという。主な活動内容は、さまざまな分野の講師による講義、演習を行うほか、学校や地域の子どもの学習活動の場、教師になることへの思いを語り合う合宿に参加することになる。初年度は来年1月から3月で、在塾中に横浜市の教員採用試験を受験することになるという。

 同塾の受講料は年間8万円。入塾予定者は100名程度。教員として採用された場合、同額を返還するとのこと。


東京工業大とNEC 研究者のための交流セミナーを開催

 東京工業大学とNECはこのほど、研究者の人材交流強化の組織的な取り組みを開始することに合意し、双方の研究者のための産学交流セミナーを開催すると発表した。産業界の現役研究者による講演とディスカッションをシリーズで行い、産業界のニーズ紹介と将来の基盤技術についての意見交換を行う。

 海外を含む各界の表彰の受賞者など各分野のトップレベルの研究者を同社から同大へ講師として派遣する。IT・ネットワークからデバイス分野まで、幅広い領域を専門とする研究者が、世の中の技術動向や研究者としての体験談、ものづくりの素晴らしさ、これからの若手研究者への期待などを伝える。
 従来、産学連携活動として行われてきた企業との共同研究や企業研究者の非常勤講師としての受け入れ、企業による学生の実習指導などは、大学の教員と企業の研究員のつながりを延長した個々の人的交流が主だったが、近年、大学の知の活用や産学連携の強化が、日本の国際競争力向上に貢献するため、大学・企業間のより活発な人材交流が進んでいる。

今回の合意は、大学と産業界の間で、組織単位で人材交流を強化する取り組みとして、産学連携における新しい形の交流となることが期待される。若手研究者のグローバルレベルの研究への挑戦意欲を湧き立たせると共に、「ものづくり」への意識向上も目指す。
 なお、同大は今後、別の分野・業界によるシリーズの開催など、この試みの更なる展開を図っていく方針。一方、同社は、多くの大学との人材交流を促進し、自社の研究開発力の強化を図る。

 本セミナーは東京工業大学精密工学研究所の「P&Iフォーラム」の枠組みでスタート、半年を1シリーズとし、初回は2006年2月から6月までの半年間実施する予定。

インターネットで江戸時代の芸術鑑賞!

埼玉県浦和図書館

 埼玉県立浦和図書館では、貴重書として所蔵している江戸時代に刊行された和漢書や錦絵などがインターネットを通じて、閲覧できるようにデジタル画像を作成し、4月からデジタル画像を埼玉県立図書館ウェブサイトの公開を始めた。

 浦和図書館の埼玉資料室では、江戸時代に刊行された和漢書や錦絵などの貴重な資料を所蔵している。これらの資料は、破損や劣化から保護するために閲覧や複写を制限していたが、今回は、選りすぐりの52点のデジタル画像を作成。これにより、インターネットを通じ、普段は手にすることができない貴重な資料を自由にご覧することができるようになり、自由な倍率を選んで閲覧できるなど、デジタルデータでの利用が可能となった。

 52点の和漢書・錦絵とは別に、江戸時代の絵図10点もデジタル化を行なった。これらはサーバー能力の関係上ウェブサイトでの公開は行なっていないが、CD−ROMに収められた画像を、資料室内の専用パソコンを使って閲覧できるようになっている。

【URL】http://www.lib.pref.saitama.jp/

書道を通して豊かな情操教育を

伊東市

静岡県伊東市は昨年10月に「伊東市書道教育特区」の申請を提出、11月22日に国の構造改革特区として認定された。

同市は、古くから文人墨客の訪れる文化的な地域の特性を活かし、子ども達が安心して居られる場所の確保を目的として文部科学省が推進する「地域子ども教室推進事業」の一環として助成を受け、「子ども書道教室」を開講した。この教室は、同市にある学校法人扶桑学園日本書道藝術専門学校で2005年5月から週に1回開かれ、地域の小学生を対象に、師範免許をもった学生達が、ボランティアで書道を教える。開講1回目から予想を上回る参加者があり、市民の書道教育への関心の強さがうかがえた。今回の申請はこうした背景を受けて行われたものである。
書道教育特区の認定により、2006年度から同市の南小学校をまずは研究開発校としてカリキュラムを実施。日本書道藝術専門学校より書道師範取得者の派遣を受け、派遣された講師と担任教師がチームを組んで授業を行う。現行課程では3年生の国語から行われる書道指導だが、1、2年生の課程で週に1回程度、「生活科」の時間を「書道科」に当てる。このカリキュラムは3年をひとサイクルとして3年ごとに見直し、最終的には市教委が必要と認めた市内小学校に拡大して実施する予定である。

 同市では、書道を通して日本の伝統文化への関心を高めるとともに、美意識を培ったりするなど豊かな情操を育む教育に結びつけばと期待している。

女性が研究に打ち込める土台作りを

政府

 政府は、女性の科学技術分野での進出を目指し、2006年度から3年間、全国10大学を対象に15億円もの費用支援を行なう。各大学に年間で5千万円ずつ、10大学で年間5億円ずつ、3年間で合わせて15億円支援する。

 文部科学省科学技術・学術政策局調整企画室担当者によると「世界的に見て日本は女性研究者の比率が低い。女性も男性と同じ土俵に立って科学技術分野で活躍してもらうために、出産・育児の面での負担を減らすため必要な支援を、各大学に行なってもらうのが狙い」とのこと。対象となっているのは東京女子医科大学、熊本大学、京都大学、東京農工大学、日本女子大学、東北大学、早稲田大学、奈良女子大学、御茶ノ水大学、北海道大学の10大学。
 支援内容は各大学に任せるが、病児保育施設の設置や学長ポストなどの役職に占める女性研究員の数を決めておくなど、女性が男性と同じ土俵で支障なく研究に打ち込めるような施策が中心となる模様だ。

高校中退者と保護者を支援

都教委

 東京都教委は、4月13日、高校中退者やその保護者のための相談所、「青少年リスタートプレイス」を、都教育相談センター(目黒区)に設置した。近年増加している高校中退者に再入学や転編入学のこと、また高校卒業認定試験を紹介したり、就労支援するなど、支援事業に当たる。東京都教委調査では、2003年度の都立高中退者は全日制、定時制合わせて計5,270人で、その理由は「進路変更」が1,941人、「学校生活・学業不適応」が1,848人、「学業不振」が677人となっており学校不適合の問題や進路選択の誤りなどが指摘されている、退学後の進路は「就職等」が2,903人、「学校への編・再入学等」が1,216人、「その他」が1,151人とのことで、このリスタートの活用が望まれる。

 滋賀県では高校教育改革の推進のため特色ある高校づくりを実施、「知の世紀をリードする人材」「望ましい職業観・勤労観」「感性が豊かで生きる力」を育てる学校を支援している。このような環境の中、水口東高校では国語力向上のためのモデル校として豊かな感性と知性を養うべく読書時間を設けている。

滋賀県立水口東高等学校の取組み

 同校では平成15年より中高一貫教育をとり入れており、図書館では昼休みともなると多くの中学生や高校生が集まる。中学校では、週に1時間読書の時間を設けており、中学生達は、本の読み聞かせや自由読書、課題読書などを楽しんでいる。また、各自読書日記をつけており、中には1ヶ月で10冊、年間100冊以上読む生徒もおり、読書への関心の深さが伺える。同校では「今年は滋賀県の民話を題材にして紙芝居作りにも挑戦した。近隣の保育所紹介できれば」と抱負を語った。
 
 高等学校では、国語の教科の中に「言語」という学校設定科目を設け、中学校で養ったさらに伸ばし、表現能力や論理的思考能力を育成するための授業を展開。一昨年の7月には、講師を招き、「楽しい読書の世界」というテーマで講演を、昨年の6月には「いのち…生きる」というテーマで図書館にてブックトーク(テーマを決めて本の内容を紹介するもの)が開催された。生徒の中からは「自分達でもブックトークをしてみたい」という声があがり、各班6・7名でテーマを決め、本を持ち寄り、シナリオを作成した。生徒達は小説だけでなく、絵本や詩集なども盛り込み、意欲的なブックトークとなったようだ。中には紙人形を作ったり、読み聞かせを入れたりする班もあり、生徒達の感性の豊かさ、創造力のたくましさをみることができた。同校では「読書は、私達の心を豊かに育てる根っこになる。中高6年間を通じて、生徒の感性を育てる一助になりたい」と意欲的だ。

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ブックトークの様子(「教育しが」より)

全国初の高校「教員コース」2007年度に開設

京都市教育委員会

 京都市教育委員会は10月5日、2007年度に京都市立塔南高校(京都市南区)に教員養成のための「教育学科」(仮称)を新設すると発表した。近く京都府に認可申請する。

 戦後まもないベビーブームで生まれた「団塊の世代」の退職が2007年度から始まると予測されており、教員の大量採用を見越し、質の高い教員を早い段階から育成することが狙い。

 奈良県の県立高校で06年度から普通科に「教員コース」を新設するが、同市教委によると、高校で教員養成の専門学科が設置されるのは全国で初めて。

 初年度は、1クラス40人を予定しており、主要5教科のほか、体験型の科目を中心にカリキュラム編成する。教師に必要とされるコミュニケーション能力の育成に力を入れ、カウンセリングや市立小中学校における実習も計画している。今後、府内の教育系大学との連携も進めていくという。

八割は肯定的だが、疑問視する声も

東京都教育委員会

 東京都教育委員会はこのほど、2007年度からすべての都立高校で新たに必修科目となる「奉仕」(仮称)について、教育モニター(10〜50代以上の87人)によるアンケートを実施し、結果を発表した。新教科「奉仕」は、①規範意識や公共心を有する人間、②他人に共感し、社会の一員であることを実感し、社会に役立つ喜びや、勤労の大切さなどを知る人間を育成することが目的。成果について、およそ8割が「期待する」と回答した一方で、「自発的である奉仕の心に反する」として、名称や必修化への疑問を投げかける声もあった。

 「奉仕」では、教室での学習と学校外での活動の両方を実施する予定だが、アンケートでは、約6割が「学校外での活動に重点を置く方がよい」と回答し、具体的な内容については、高齢者・障害者・子どもたちへの支援活動など「保健、医療又は福祉の増進を図る活動」や、リサイクルや河川、港湾の清掃など「環境保全を図る活動」などへの参加がふさわしいという意見が目立った。

 成績評価の方法については、5段階評価など数値によるものではない方法が望ましい意見が半数以上を占めた。「自己評価とボランティア先の評価の両方が必要である」「個人の評価や反省を文言にして、記述式評価がよい」といった、生徒による自己評価中心で評定することをすすめる意見が多数出た。

 「奉仕」の指導を充実させるために必要なことについては、6割以上が「奉仕体験活動の受入先との連携」と答えており、「生徒が自ら受け入れ先を探す方がよい」という意見もあった。

 また、ボランティアについての自由意見欄には、「本来ならば自然と規範意識や勤労の喜びなどを会得するのが一番だが、核家族化、地域とのつながりが希薄な現状では、教科としてやるのは仕方のないこと」「高校生の奉仕を通じ、学校近隣は期待しているはず。校内外にとらわれずやらせるのではなく、自分からがボランティア精神である。そこをうまく作り上げる工夫が必要と考える」といった比較的導入に肯定的な意見がある一方、「奉仕を制度や強制することには疑問を感じる」「充分な勉強や仕事ができていない人たちが、奉仕に専念するのもどうだろうか。自分のするべき勉強や仕事にプラスアルファし、より素晴らしい人間生活と発展できるようにそれぞれが日々努力し、工夫することの方が現在や未来社会には必要なことであろう」という厳しい意見もあった。

 集計結果は今後、新教科「奉仕」の検討、具体化の際の参考にするという。  

携帯メールで専門家に子育て相談も!

品川区

 東京都品川区は11月から、子育てに役立つ様々な情報を携帯電話に発信するサイト「こども未来」を開設した。区内の保育園、幼稚園、児童センター、病院・診療所などの施設や、子どもの健康に配慮した献立、親子で参加できるイベントなどの情報を提供する。

 核家族化が進む中、子育てについての地域情報不足による不安の解消を図るのが目的。子育てについての情報を、区、住民、各種団体が持ち寄り、地域に密着したすぐに役立つ情報として、携帯電話で気軽に入手できる環境を整備した。同区大崎のNPO団体法人フローレンス(駒崎弘樹代表理事)に管理運営を委託している。

 画面トップには、「育てる」「あそぶ」「健康」「施設」のメニューが並ぶ。例えば、「育てる」から「たべる」をクリックすると、「今月の一品」など子ども向けの料理レシピを見ることができる。「あそぶ」ではイベント情報が入手でき、「健康」からは感染症や休日応急診療所についての情報が得られる。そのほか、メールで募集した育児の知恵の紹介や、メールを通じて専門家が子育ての相談に応じるコーナーもある。

 利用に当たっての登録は不要で、誰でもアクセスできる。

 ◆URLはこちら → http://mirai.be/


大賞受賞は高校生! 力作が勢ぞろい!

(独)情報処理推進機構・韓国情報保護振興院

 「ネットで繋がる無限の世界 明暗決めるはあなたの手」ネット安全などの情報セキュリティ教育の意識を高める目的で行なわれた「情報セキュリティ標語2006」コンテストで、高校生の作ったこんな標語が大賞を受賞した。

 同コンテストは、ウイルス感染やワンクリック詐欺など、「情報セキュリティ」に関する問題が多発している現状に伴い、韓国情報保護振興院(KISA)との共同事業として実施されたもの。KISAは、韓国の情報通信部の外郭団体で、韓国国内の情報や情報システム保護のための政策を実施したり、インターネットでの事件への対応など、安全なネット環境のため必要な技術の普及、または研究開発を行う韓国政府出資の機関である。
 日本では本年3月より全国の小・中・高校生から募集を開始し、全国118の小・中・高等学校の中から1,101件の応募があった。5月9日に審査委員会(委員長:情報セキュリティ大学院大学辻井重男学長)を開催。大賞以下、計10作品の入選が決定した。
 KISAでは、毎年6月の「情報セキュリティ週間」において、韓国で同様の標語募集を行なっているが、今回発表された日本の入選作品は、KISAに送付して韓国語に翻訳し韓国でも紹介を行なう。韓国の入選作品についても、日本語に翻訳して、日本で公表する予定だ。

 入選作品は以下の通り、力作が並ぶ。

【大賞】
ネットで繋がる無限の世界 明暗決めるはあなたの手
神奈川・慶應義塾湘南藤沢高等部/清水優香子

【高校生の部】
(金賞) 人々の 意識で変わる セキュリティ
埼玉県・県立越谷北高等学校/浅井慧
(銀賞) ケータイは持って天国 落として地獄
岐阜県・県立可児工業高等学校/田口史武
(銅賞)手軽でも 忘れるなかれ セキュリティ
埼玉県・立教新座高等学校/松下成昭

【中学生の部】
(金賞) ネットワーク 便利と危険は 紙一重
茨城県・つくば市立吾妻中学校/藤井のど佳
(銀賞) 情報は 流れだしたら 止まらない
埼玉県・三郷市立早稲田中学校/増田恵子
(銅賞)気をつけよう インターネットの落とし穴
兵庫県・加古川市立中部中学校/遠入和也

【小学生の部】
(金賞) ぼくだけは 感染しないよ 大間違い
岐阜県・大垣市立墨俣小学校/古澤健太郎
(銀賞) パスワード ともだちにだって ないしょだよ
愛知県・名古屋市立滝ノ水小学校/森明日翔
(銅賞) セキュリティ あなたが守る あなたの身
千葉県・千葉市立若松台小学校/山崎緑

若者たちにステップアップの方法を 

キャリアエンカレッジ 高畠一郎氏

 現在、フリーターやニートといた若者増加が問題となっている。その1つに「自分が何になりたいのか」「何を勉強したいのか」「どう生きたいのか」のかわからない若者達と一緒になって向き合って考える場所がないということが上げられる。
 今日の高等教育では、キャリア教育は大きな意味合いを持っていると考えられるようになった。この社会状況の中でキャリア教育の成功は、学校の成功にも繋がると考えられ始めたからだ。様々な職種の中でどの職種が学生に合うか的確に分析し、将来学生がその職場でいかに役立つのか現在多くの学校で検討・実行されるようになってきた。
 
  10年ほど前から、18歳の人口も減少し、それに伴い大学などが学生確保に動き始めた。入学者確保をするために新しい学部・学科を設置し、入試方法も多様化させ、ノートパソコンの配布や学校設備などを整えることで学生確保に力を入れた。そして、就職支援に力を入れる大学は、入学者にとって魅力的なものとなった。「就職支援強化校への入学=就職確定」と考えられ、就職支援をしたくても学生の意識の質が低く十分な教育ができないという悪循環が生まれた。大学都合の学生確保に伴った短期的な就職支援対策では効果は上がらず、大学生の就職率56%、入社3年目までの退職率30%という結果となった。
 大学の「就職課」は、「キャリアセンター」と名前を変え、大学1、2年生の早期の就職対策に取組み始めた。小手先の「就職対策」ではなく「キャリア=生き方、あり方」を意識した就職支援に変わり始めた。就職率を上げるために目先の指導をするだけでは、就職3年目での離職率がますます増えてしまう。
 今後のキャリア教育は、「自分がどうありたいのか」「どうなりたいのか」を見つめ直し、そのためにはどのような学生生活を送るのか(自己発見、自己理解、社会・企業への理解)を考えさせる。その次のステップとして、「そのためには何をするか」将来に向けての行動、疑似体験など実践の場を作る。見直し、実践を踏まえた上で、就職へのアプローチを支援することが必要となる。支援をするに当たってのポイントとしては、

①学校として自校の「キャリア教育」の方向性を定める「学内の意思統一」 ②入学から卒業までの一貫した「キャリアプログラム」 ③小手先のアウトソーシングではなく、責任を明確にする「学校と外部の連携」が重要となる。

 また、単に「就職」だけではなく、学生の「将来」という視点での「対人理解」「関係構築」「チーム形成」「自立性」などを身に付けさせることもキャリア教育について重要なこととなる。  以上 
 

((c)現代教育新聞編集部 インタビューより)

より質の良い教員を幅広く確保するのが狙い

横浜市教育委員会

 横浜市教育委員会は、平成19年4月採用予定の公立学校教員の採用候補者選考試験から、受験対象年齢を60歳未満とし、年齢制限を実質的に撤廃すると発表した。「団塊の世代」教員の大量退職を前に、都市間の教員候補者確保の動きが激しさを増す中、同市教育委員会は「現在でも、小学校教員などは2倍以上の競争率があるが、団塊の世代のベテラン教員が抜けるのは痛手。その上で、より質の良い教員を幅広く確保するのが狙い」と話している。

 同市教育委員会によると、従来の教員採用試験では、一般選考の受験資格で、35歳未満などの制限を設けていた。また、近年の団塊世代の大量退職を見越して、採用人数を増やしてきた経緯もある。


 しかし、平成18年度には、数十人が同市の教員を辞めて他の都市の教員へ転職したほか、現職教員には筆記試験を免除している大阪府の教員になった者もいた。同市教育委員会は「もともと本市(横浜市)は、さまざまな地方出身の教員を抱えており、里帰りを制限することはできない」と話しているが、「東京都の教員採用などと競争関係になるのは必至で、年齢を問わず、より質の高い教員を確保する必要があった」と、今回の年齢制限撤廃の背景を説明している。

 また、同市教育委員会の採用試験には、新卒などが対象の一般選考と、教員や社会人経験者が対象の特別選考があり、従来は一般で35歳未満、教職員経験者で40歳未満、社会人経験者で45歳未満などと限定していたが、今回一律60歳未満に改めることにした。

能力給は「物言わぬ教員を作るしくみではないか」と反対する声も

大阪府教育委員会

 人事院は昨年8月、民間企業との賃金格差の是正を目指して公務員の給与制度を見直す人事院勧告を提出。これを受けて大阪府教育委員会では、教職員の給与の見直しを決めた。


 見直しのポイントには、「年功的な給与上昇要因を抑制した給与システムの構築」「職務・職責・勤務実績の反映」「地域の民間給与の適切な反映」があげられており、このうち、勤務実績等の反映に関しては、評価・育成システムを活用する。このシステムは、目標設定とその達成度、自己評価と校長による評価等によって、評価の高い順にS・A・B・C・Dの5段階に分類評価するもので、平成16年度に導入された。今回の新給与制度では、この評価結果を反映、試算ではあるが最大30万円程度の差がつく可能性もあるという。


 府教委では、評価・育成システムはかなり定着しているとして、来年度より新給与制度を実施する方向で詳細の決定を進めている。しかし、評価・育成システムと「能力給」の導入に関しては、教職員組合の他、市民団体等から「物言わぬ教員を作るしくみではないか」と反対する声が上がっており、今後も引き続き論議を呼びそうである。


「これからの図書館像」発表

文部科学省

 文部科学省は、今日の図書館の現状や課題を把握・分析し、生涯学習社会における図書館の在り方について調査・検討すべく、2004年7月に「これからの図書館の在り方検討協力者会議」設置、論議を重ねてきたが、このたび、その結果を「これからの図書館像〜地域を支える情報拠点をめざして」として発表した。

図書館サービスの現状

 公立図書館のあり方については、ここ10年ほど、いくつかの調査研究がなされてきた。2000年12月に発表された「2005年の図書館像〜地域電子図書館の実現に向けて〜」では、近年の急激な社会の情報化と図書館サービスの新たな展開に目を向け、図書館関係者・民間団体等からのヒアリングを行うなどして1999年2月から調査研究を実施。今回の調査は、これを踏まえ、実際に先駆として図書館を改革してきた国内外各地のいくつかの事例を紹介しながら、未来の図書館像に向けた提言をまとめたものである。

 現在、公立図書館数は2,714館。都道府県立の設置率は97.9%だが、町立が45.4%、村立は17.6%に留まり、身近で図書館サービスを受けられない地域は依然として多い。地方自治体の財政難、社会教育への補助金の廃止など厳しい状況の中、職員自体の総数は増加傾向にあるものの、司書などの専門専任職員数は1999年度の7,658人から2002年度には7,528人に減少。図書館資料購入費も削減される傾向にあり、1館あたりの平均資料費は、2001年度から2005年度の5年間に、都道府県立で477万円減、市町村立で205万円の減額。さらに建築後30年以上の図書館が3割を越え、バリアフリー対応の遅れが問題となっている。情報化については、2002年10月現在で、9割以上の図書館でコンピュータを所持してはいるものの、業務等のオンライン化については、都道府県立で76.6%、市町村立で59.1%に留まっている。

役に立つ図書館への新たな視点

 これらを鑑み、当報告では、これからの図書館サービスに求められる視点、役に立つ図書館に変わるために必要とされる機能として、主に「住民の生活・仕事・自治体行政・学校・産業など各分野の課題解決を支援する相談・情報提供の機能の強化」「紙媒体とインターネット等電子媒体の組み合わせによる図書館のハイブリッド化」「学校との連携による青少年の読書活動の推進、行政・各種団体等との連携による相乗効果の発揮」をあげている。

 このうち、住民や行政、団体への支援について具体的には、相談専用の窓口の設置や対応できる職員の配置、相談内容のデータベース化などが上げられている。また、郷土史や地域文化などそれぞれの地域独自の資料を充実させ、さらにはこれを電子化することで、より広範囲な利用者の獲得が可能になるとしている。

 図書館のハイブリッド化では、パソコン導入とネットワークへの接続、商用データベースの活用や他の図書館とも連動した検索システムの整備、図書館独自のウェブサイトの開設やe-ブックの活用を提言。学校や地域社会、行政との連携では、政策立案支援や広報活動などを互いに積極的に展開することでPRに相乗効果をもたらすことや、学校図書館と連携しての資料搬送サービス等を展開することなどを提案している。

 さらに、これらの機能を発揮するために必要な図書館経営の改革として、「図書館の資源の配分の見直し、研修や専門職員採用などによる職員の意識改革・資質・能力の一層の向上、利用者・利用団体への積極的な広報、利用者の視点に沿った弾力的運営・評価など」が求められているとしている。


 現在の多くの図書館の状況は、本やビデオが無料で借りられる所、学生が勉強する所といった旧態依然の認識が強く、事実、図書館の重要性への認識がないことから、人的、予算的規模の縮小に向っている公立図書館が少なくない。

 しかし、翻って今日の社会状況を見るに、財政難、少子高齢化、地方分権や国際化の進展など、様々な課題や変化に直面している。また、制度の変化や技術の急激な革新など時代のスピードが急速に上がり、雇用の制度や形態の変化・多様化によって、社会人の持つ知識や技術が急速に古くなったり、より広い範囲の知識が求められるなど、社会に出ても常に学びなおす必要が出てきている。あるいは規制緩和や不登校等の増加によって、青少年の学びの形態すら多様化の様相を呈し、こうした状況に対応できるような知識や情報が適切に入手できる環境設備が不可欠となっている。しかし現在のところその整備においては、単に個人差だけではなく、大都市圏とそれ以外の地域とでは依然として大きな格差があり、図書館の役割は、これまで以上に重要なものとなってくる。報告書は、本提言により地域住民や行政等が図書館の存在意義を再認識し、改革に役立てばとしている。

加速する「理科ばなれ」に歯止めをかける

文部科学省

 文部科学省は、小学校理科の実験や教材作りでの指導助手の導入を検討している。

 近年の児童生徒の数学や理科の国際比較調査結果でも見られるように、算数・数学や理科の得点自体は国際的に上位にあるものの、勉強への積極性や楽しさという点で、日本の小中学生の意識は、かなり低いと言わざるを得ない。また、最近の経済産業省等の調査では、教育学系統の学生の約6割が高校時代に物理を未履修、履修者の中でも「物理が好き」との回答は17%に留まるという結果で、「理科嫌い」の教師により「理科嫌い」の子どもが再生産されているのではないかという懸念も指摘されている。

 こうした現状を踏まえ、文部科学省では、平成14年度より、「科学技術・理科大好きプラン」を開始。「科学技術離れ」「理科離れ」に歯止めをかけ、科学好き、理科好きな児童生徒を増やし、将来の科学技術の創造を枯渇させない試みを続けてきた。実際、国立教育政策研究所、独立行政法人科学技術振興機構が行った「科学への学習意欲に関する実態調査」(平成17年4月)によれば、このプランの一環である「理科大好きスクール」および「スーパーサイエンスハイスクール」事業の指定校として、より具体的で活動的な理科学習への取組みを行ってきた学校の児童生徒は、こうした取組みを実施していない学校の児童生徒より、「科学者や技術者の話を聞いてみたい」「学校で学習するより理科をもっと詳しく学習したい」あるいは「大人になって理科に関係する仕事をするかもしれない」という意識で高いという結果も。これらの成果を生かし、今回の導入を積極的に検討しているものと思われる。

 文部科学省科学技術・学術政策局基盤政策課によれば、平成19年度からの導入を目指し、今年6月までに具体的なプランを固める予定という。

学習システムの企画案はコンペで大募集!

福島県教育委員会

 福島県教育委員会は、南会津地域の人材育成を目指し、既存のパソコン等を活用した新しい学習サポートシステムを導入する。

 南会津地域は、自然や地域コミュニティに恵まれた環境をもつ一方、少人数の学級で刺激が少なく学習塾も多くないという状況にある。このような中で、都心部に負けない学習環境作りを目指し、新しい教育ツールを取り入れて民間の力を活用する試みが発進した。

 具体的には、放課後や休日にもインターネットで個々人が使用できるe—ラーニングや添削指導も含む通信教育を組み合わせた「学習サポートシステム」、講演会等の「全体勉強会」、これらを的確に指導し、授業に活かすための「教職員研修」からなり、その企画案はコンペによって募集。今年3月10日まで募集し、4月1日から対象とする6校での実施を予定している。

 なお、企画コンペ実施要項については、福島県教育委員会Webサイトへ。
http://www.pref.fks.ed.jp/

思いやりのある子供に 地域社会で教育を

世田谷区教育委員会

 世田谷区教育委員会は、「道義教育」の推進を行なう「検討委員会」を4月より設置、地域の大人が行動で示すことにより、子どもに倫理観や規範意識を身につけさせる。


 同推進案は、同教委が昨年2005年3月に「世田谷区教育ビジョン」として策定したもののうち「未来を担う子どもを育てる教育—豊かな人間性の育成」の一部にあたる。子どもたちの生活体験の希薄化や地域社会の教育力の低下など、子どもを取り巻く社会状況が変化する中、子どもの心のありようについて問題視されている。善悪の判断や規範意識、他人を思いやる心など、子どもたちに「人としてなすべきこと、してはいけないこと」を伝えるため、学校教育のみならず、地域社会全体で大人が見本をしっかり示し、教育活動を行なう目的だ。


 同検討委員会のメンバーは、元日銀総裁の三重野康氏(委員長)、トヨタ自動車副会長の張富士夫氏、学習院女子大学長の波多野敬雄氏ら含む10名から成る。各界の多忙人が集まるため、実際に会って会合するのは1、2度ほどを予定し、それ以外はメールなどでやりとりを行なって意見を聞き、具体策を決めていく。


 同教委は「委員会の設置は4月だが、実行は2年後位を予定。具体的に何をするのかは検討委員会の方を通してこれから決まっていく」と話している。

 「豊かな人間性の育成」の施策には他に「情操教育」の推進などもあり、研究校で歌を歌う活動の推進などを行なっている。また、都では「心の東京革命」といった似た趣旨の施策もあるが、今回のものは「『道義教育』そのものに、より重点を置いた」内容にしていきたいとしている。

二年連続で就職内定率が改善される

文部科学省・厚生労働省

 文部科学省と厚生労働省は、大学、短期大学、高等専門学校、専修学校の今春卒業予定者の就職(内定)状況等を共同で調査し、このほど、昨年12月1日の時点での状況を取りまとめたものを公表した。それによると、大学生の内定率は、男子が前年同期を3.6ポイント上回った78.9%、女子は75.5%で同2.6ポイント上昇、全体では前年同期を3.1ポイント上回った77.4%。2年連続で改善したことがわかった。

 地域別では、関東の84.6%(4.5ポイント上昇)が最も高く、中・四国は8.9ポイントの大幅上昇で69.1%に回復しており、0.5ポイント低下で65.2%だった九州以外は全て上昇傾向を示した。景気回復に加え、団塊世代が大量に定年を迎える「2007年問題」を背景に求人数が増加していることなどが影響していると思われる。 

 また、ここ数年ずっと60%台だった高校生の内定率も、今回は5.1ポイント増の72.8%(うち男子は5.1ポイント増の78.7%、女子は4.7ポイント増の65.6%)と高い伸び率を示し、7年ぶりに70%台となった。07年問題に関心が高い製造業の求人増が反映された形となったと推測できる。

 また、就職を希望する人の割合を示す就職希望率も上がっている。少子化の中、高校生は15年連続減り続けていた就職希望者数が、0.6%増加に転じた。大学生は、2000年春卒以降、この時期の就職希望率は60%台後半に下がっていたが、昨年の春卒で71.6%に回復、今春卒業予定者は73.2%と2年連続で上向きになった。求人増に刺激されて就労意欲が高まり、前向きに就職活動へ取り組む学生が増えてきているとみられる。


目標は25万人を常用雇用化
「若者の自立・挑戦のためのアクションプラン」

政府

 政府は17日、「若者自立・挑戦戦略会議」を首相官邸で開き、フリーターやニート対策に関する、2006年度「若者の自立・挑戦のためのアクションプラン」を新たにまとめた。専門的な相談に応じる施設を設置し、同年度内に25万人のフリーターを常用雇用化することを目標としている。対策費は761億円を計上し、今年度比の5億円増となった。

 同プランは、2004年末の同プラン決定内容の改訂版。目標である「若年失業者等の増加傾向を転換させる」ことを確かなものとするため、フリーターの常用雇用化やニートの自立など6分野の施策に整理されており、若者の自立・支援のため、地域産業とのネットワークを強化していくことが必要としている。

 フリーターを25万人常用雇用化する具体策としては、
「『ジョブカフェ(若者向けの就職相談などを行うサービスセンター)』において、フリーター向けのセミナーを充実する」「ハローワークにおいて、担当制による一貫した就職支援を行なう」「経済団体の協力によるモデル事業の推進等により、正社員登用に取り組む企業の拡大を図る」「企業実習と座学を連結させた教育訓練(日本版デュアルシステム)の促進」「農作業体験を通じた農業就業支援」などが挙がっている。

 また、ニート対策としては、一人ひとりの状況に応じた専門的な相談機関「地域若者サポートステーション(仮称)」の全国25個所への設置、合宿形式で生活訓練や労働体験を行なう「若者自立塾」の拡充など、働く意欲や能力の向上を行なう策がいくつか盛り込まれた。

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都立高生一人あたりのコストは約128万円

東京都教育委員会

 都教育委員会は、昨年に引き続き全都立学校の「平成16年度決算分都立学校バランスシート」を作成、1月12日に発表した。これは、教職員をはじめ、生徒・保護者に学校のコスト情報を説明することで、教職員のコスト意識の向上を図るとともに、教育活動にどれほどの財政が投入され、どれだけ成果が出ているかについて、都民への説明責任を果たすことを目的として実施されている。

 対象となったのは高等学校198校(平成16年度末閉校の3校を除く)、高等専門学校2校、盲学校4校、ろう学校8校及び養護学校43校の合計255校。総コストを生徒総数で割った生徒1人あたりのコストは高等学校で約127万8千円(平成15年度決算 約126万6千円)、盲・ろう・養護学校で約829万6千円(同 約869万2千円)となった。また、年間の総授業時数で割った1時限あたりの経費は、高等学校が約4万4千円(同 約4万2千円)、盲・ろう・養護学校は約3万3千円(平成15年度決算では作成なし)という結果になった。

 行政コスト計算書による財務状況では、コスト比率(総コストに占める授業料・入学料・国庫支出金等の収入の割合)が高等学校で12.75%(平成15年度決算 10.16%)、盲・ろう・養護学校で24.13%(同 18.33%)。平成16年度決算でコスト比率が上昇したのは、退職給与引当金の算出方法をより実態に近い方法に変更したため、収入が増加したからである。

生徒・保護者の負担率、いわゆる受益者負担率(総コストに占める授業料・手数料等収入の割合)は、高等学校が7.29%、盲・ろう・養護学校0.01%となった。

 都教委では、より一層の学校経営の改善に役立てたいとしている。

「第4回協働の場プロジェクト・フォーラム」

関西大学英語教育連環センター

 関西大学英語教育連環センター(e-LINC)では、6月17日、「第4回協働の場プロジェクト・フォーラム」を開催した。英語習得のための実践的授業のあり方を紹介するもので、国内外の英語教育の専門家による講演や各地の実践事例の報告などが行なわれた。

 同センターは、関西大学大学院外国語教育学研究科のプログラムが教員養成GP(文部科学省)に採択されたことに伴い、2005年11月に設立されたもの。教員養成と現場の課題解決のため、研究と学校の連環を3つの「協働の場」としてデザインした英語教育の実践を目指している。
 4回目を迎える今回の同フォーラムは、講演者としてジーン・カーシェンマン・ハワイパシフィック大学助教授と立命館大学・大学教育開発・支援センター教授の山岡憲史氏を招待した。

 はじめにカーシェンマン氏から「3Rアプローチによる挑戦」と題し、外国語学習における3Rの重要性について説明するワークショップが行なわれた。3R とは、Reflect(振り返り) Reach all students(全ての生徒に届く教え方) Rely on others(仲間との協力)の三つ。同氏は外国語としての英語学習について研究・実践をしており、ルーマニアや中国などで教えてきた経験をもとに、早期英語教育のあり方を実習なども交えながら話した。
 具体的には、「語学学習において今日学習したことをReflect(振り返り)することは、大変効果的で重要なものである」「生徒各々個人差はあるが、Reach all students(全ての生徒に届く教え方) で教える必要がある」といったことがまず話された。更に「社会構成主義」の側面からの考えとして、「学習は一人一人で成り立つものではない。個々の差を利用して生徒同士でお互い助け合うことも必要」と説明。Rely on others(仲間との協力)で生徒同士が教えあうことも有意義な学習とした。

 山岡氏の講演「骨太のコミュニケーション能力を育てるために大切なこと:受験とコミュニケーションのdichotomyを打ち破る」では、2002年に文部科学省から出された「英語が話せる日本人のための行動計画」でスーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール(SELHi)に指定された滋賀県立米原高等学校の事例について説明。英語教育において、受験対策とコミュニケーション能力育成の両立は当面の課題であるが、それを打ち破る方法を同校で実践し、3年間で生徒達が英語でプレゼンテーション・ディスカッション・ディベートができるようになった経緯について語った。同校はもともと進学校でもない上、特に英語教育に卓越しているわけでもない普通の地方高校であった。生徒達に「挑戦心」を植えつけさせ、多方面からの試みを行ない、SELHiとしてめざましい成長を遂げている。今後はSELHiで培った方法を更に発展させて、他校や他の県へも広めていきたいとのことだ。

 また講演の合間に、同センターが行なう「協働の場」のプロジェクトの進捗報告が行なわれ、枚方市立津田中学校・京都市立京都御池中学校・箕面市立第二中学校の事例について紹介された。同プロジェクトは、英語教育専門の同校大学院生らを現場の中学校に派遣、現場の教員と一緒に英語授業のあり方について研鑚を積ませるもの。『連環型』教員養成プログラムとして、「協働の場」で研修を行なうことにより、院生側は現場の雰囲気に馴染むことが、教師側は最新の英語教育に関する知識を院生から吸収することができる。三校での同プログラムを通した英語授業の取組みについての発表が行なわれた後、これからの教育現場と大学院の「協働」のあり方についても積極的な意見交換が行なわれた。

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