2004年6月アーカイブ

教育支出の国際比較 、低い、日本の教育予算
OECD調査

 経済協力開発機構(OECD)の「図表でみる教育」が、加盟30ヵ国の教育支出の公私負担割合を比較発表した。
 高等教育機関の場合、授業料・教科書・教材費などの家計負担、民間の寄付金、私立学校の事業収入等の私費の比率が最も高いのは韓国で84.1%、最低はギリシャの0.4%で、10ヵ国が10%未満だった。加盟国平均は21.8%。日本は、米国(66.0%)に次ぐ56.9%で、50%を越すのは韓米日3ヵ国という結果となった。
 国内総生産(GDP)に対する全教育段階の公財政教育支出の割合は3.5%であり,OECD各国平均5.0%を下回っている。また,初等中等教育の公財政教育支出の割合は2.7%,高等教育の割合は0.5%で,OECD各国平均(各3.5%,1.0%)をいずれも下回っている。
 また,国内総生産(GDP)に対する私費負担を加えた教育支出の割合も,初等中等教育では2.9%,高等教育では1.1%とOECD各国平均(各3.8%,1.4%)をいずれもれも下回っている。

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(資料 OECDより)
高校生の学習機会を拡大
平成15年度からプレ・カレッジ開設

茨城県教委

 茨城県教委では、平成15年度より高校生の学習の機会を拡大する「高大連携推進事業」を開始した。複数の大学と大学の授業公開にかかわる協定を締結した都道府県は茨城県が全国で初めて。
 「高大連携推進事業」は、高校生が県内の大学(茨城大、県立医療大、茨城キリスト教大、常磐大、つくば国際大、東京家政学院筑波女子大、流通経済大)の講義を受けに行くものと、県内5学区から選んだ拠点校(多賀高等学校,太田第一高等学校,水戸第一高等学校,緑岡高等学校,鹿島高等学校,土浦第二高等学校,牛久栄進高等学校,下館第一高等学校)で、土曜日や夏休みに大学の教員が年間15回程度の特別講座を開くもの(プレ・カレッジ講座)の2本柱で行われる。
 どちらも受講生徒には「学校外の学修」として高校の単位が認定される。県教委では、高校生が大学の高度な教育や研究成果などに触れる機会を提供し、各大学の特徴を知ることで、知的好奇心や学習意欲を高め、将来の進路選択などに役立つとしている。また、高校生個人が持つ多様で特色ある能力や個性の伸張も図る目的。
 プレ・カレッジ講座のテーマには「心を探求しよう」「人間と自然のかかわり」「国際社会での日本の将来」「体で感じる本物のサイエンス」「人間と感情」「現代社会が抱える諸問題」などがあり、一つのテーマに基づいた授業を継続して受講できる。
平成15年度当初予算額469万8000円

厚生労働省が若年者の就業の支援策
厚労省
 厚労省は就業が難しくなっている若年者を支援する制度を創設すると発表した。
 ドイツで普及している「デュアル・システム」を参考に、高校卒業者が職業訓練をしながら 企業で実習できるような制度を検討している。
 デュアル・システムとはドイツで行われている職業教育システムで、実習生として企業と契約を結び週に3‐4日勤務し、週に1、2日を職業学校に通い対象の職業に必要な知識や技術を学ぶ制度をさす。
三重県教委は2004(平成16)年3月15日、「教職員人材育成アクションプラン」を策定
 同プランは、2002(平成14)年度から取り組んでいる「県民が望む教職員人材育成事業」の一環として策定され、学識経験者・民間企業関係者・一般県民等16人の委員からなる検討協議会が提出した「教職員の人材育成の在り方について」に基づくもの。

1. 信頼される教職員の育成
2. 学校の組織としての教育力向上
の2点を柱とし、2004(平成16)年度から取り組んでいく。

 人材育成については、新規採用について、
●大学生ら教職を目指している人材を教育アシスタントとして1年間学校で受け入れ、教員としての実践経験と使命感を醸成
●採用試験で面接試験の回数を増やす
●スポーツや芸術などにおいて高い特技や資格をもつ人材については一部試験免除などすることなどを挙げている。

 また、教育力の向上については、
●教科指導等に優れた“エキスパート”を学校の希望に応じて派遣し、学校内研修を充実させる
●教職員がいつでもどこでも研修を受けられるようにするため、ITを活用した研修(ネットDE研修)の充実を図るなどを挙げた。

日本初のインターネット高等学校が開校、新たなる教育のカタチが実現

石川県


 石川県石川郡美川町は設置認可を受けて、わが国では初の株式会社による広域通信制高等学校を9月30日に開校、インターネットを使った授業形態でさまざまな試みが始まる。

 美川町は、日本有数の港町として栄え、交易が盛んな町だ。また、姉妹都市英国ボストン市と青少年の相互交流や、外国語指導助手として教師を招くなど、教育に対して関心の高い町でもある。
 その美川町が平成16年3月に「美川サイバータウン教育特区」として認可され、アットマーク・ラーニングが運営するインターネットで授業を行う高等学校が開校。
 この構想は、将来的に光ケーブルを町内で有効活用し、町内の同スクールで学習指導を行う在宅勤務の教職員を採用するなどインターネットを通した遠隔教育業務に就ける雇用創出を見込んでいるだけでなく、夏季と冬季の集中スクーリングでは地域密着の活動を企画、推進によって町内の学校との連携を図り活性化を促すことが可能に。また、学校設置会社からの税収も見込まれることから新しい財政への取り組みができるというものだ。
 同校は「美川特区アットマーク国際高等学校」と命名され、最先端の「学び」を実現。信州大学工学部と共同で「インターネットを利用した新しい学習支援システム」の研究を開設し、産・大・高の連携を可能にした。インターネット活用の授業となるため登校は年間2日間、プライベートコーチが担任として一人ひとりの生徒を受け持つこととなる。
 講師陣は教壇に立ち、講義をネットで配信。講師も芥川賞作家や有名予備校講師をはじめ、ラジオの人気パーソナティとバラエティに富んだ顔ぶれで魅力ある授業を目指す。
 カリキュラムも「ICT(インフォメーション・コミュニケーション・テクノロジー)系」「芸能・マスコミ系」「クリエイティブ系」「ワールドカルチャー系」「心理・ボランティア系」「進学系」と特徴あるもので、実社会を体感できるような生徒の意欲を増すような構成だ。
 また、国内だけでなく米国高校卒業資格が取得でき、提携大学の正規の単位取得も可能なプログラムや短期留学、交換留学も用意されており、国際社会で通用する「自立人間」の育成を目指す。
 同校の開設は、不登校児や、遠隔教育を活用した地域活性などの打開策として期待される。

ノート型PCで自宅学習も,コンテンツ料は安価で提供ネットワーク配信コンテンツ活用

東京都三鷹市は平成16年度から、文科省による「ネットワーク配信コンテンツ活用推進事業」の指定地域となっている。この9月より、ネットワーク配信によるデジタルコンテンツの配信を開始する予定だ。民間の教育用デジタルコンテンツ約630タイトルが地域のコンテンツ配信センターに登録されており、市内の各校が安価で購入/利用ができるシステムだ。授業や学習における効果的な活用方法を実践研究が加速する。





 これに先立ち三鷹市では、市内の小中学校および関連施設をつなぐ新たなイントラネットを、8月中に完成させる。もともと同市には、市内の学校を結んだCATVイントラネット(武蔵野三鷹CATV)があったが、平成14年に通信・放送機構(TAO)の指定を受けて以来、TAOの学校インターネットに接続されていた。この事業が今年度で終了するにあたって、接続先を元に戻し、合わせてIPv6、IPv4両方に対応した光ファイバーによるCATVイントラネットを完成させる。
 また市の教育センター内には、コンテンツ配信センターとして「三鷹教育ネットワークセンター」を設置、全国的拠点となることを目指す。三鷹市のイントラネットとネットワークセンターとはVPN(ヴァーチャル・プライベート・ネットワーク)で結ばれる予定。
 今回のコンテンツ配信には、TAOの指定を受けた際の経験が十分に生かされる。平成15年1月から市内の第三小学校と第四中学校には、無線LANでイントラネットに接続できる小学校に300台、中学校に200台のノート型PCが配備され「1人1台環境によるIT化が学力向上にどのように寄与するか」「地域との連携強化と地域の教育力の学校現場への活用」「イントラネットを使った家庭学習の効果と影響」などについて研究を行ってきた。

image002.jpg  この中で必ずしも十分な成果を得られていなかったのが家庭学習である。それは最新のIPv6でつくられたネットワークに、家庭のインターネット環境がうまく対応できないことも多かったためだ。しかし新しいイントラネットが完成すると、市内の全小中学校(22校)および関連施設が光ファイバーで結ばれるほか、学校で使用しているノート型PCを家庭に持ち帰り、独自学習を進めるといったことが市内全域で支障なく行えるようになる。「結果として、ネットワーク配信コンテンツの効果を十分に引き出せるインフラが、9月の本格稼働を前にして整った」(三鷹市教育センター大島克巳所長)(左記写真)といえる。
 運用面でも三鷹市には、十分な条件が整っている。平成14年度から市が独自に進めてきた「e!school三鷹モデル」事業(平成14〜16年度)の一つに、「学習履歴型ドリルコンテンツ」がある。これは生徒の理解度に合わせた問題が自動的に提示され、採点も自動的に行われるなど、復習・反復練習に適したドリルタイプのコンテンツや、補足資料を調べるためのコンテンツなど多様なコンテンツを提供するもの。新コンテンツは、もともとあったコンテンツに追加する形で導入するため、現場教師の混乱はほとんどない。三鷹市では試験的に無料配信を行うほか、8月からは現場教師が自由にコンテンツを閲覧できる「お試し期間」を設ける。
 加えて三鷹市は、「アジア・ブロードバンド」の指定都市となることがこの7月に決定した。これはアジア地域をブロードバンドで結び、IPv6や次世代移動通信等の情報通信技術について、アジアが世界をリードする存在となることを目指した国際的な取り組みである。ここに参加することで三鷹市のIT化がさらに進展することは間違いない。具体的にはまだ構想段階であり、市内のどの学校を指定校とするかも決まっていないが、「成果を出すためのインフラは整っています」(大島所長)と自信をのぞかせている。
(現代教育新聞にて掲載)

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